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シリーズ「バタフライ」

coming soon!


シリーズ「ゴッホの想念」

『絵画の前』という場所にあるもの

絵画の前に立ったときに心臓が掴まれたような衝撃的な感動を体験させられることがあります。作品の造形や制作された経緯等への頭での理解を超越するかのように直接的に自分の内面を揺らすこの感動の源は何だろうと考えたときに、私は「絵画の前」という場所に何かが存在しているのだと感じました。

この存在はその土地その土地の地面が持っている力と似ていると感じます。例えば「この土地に立つと心が洗われる」といったその土地が持つ固有の作用を生じさせる何かはその土地から垂直方向に発せられ、その土地の上部の空間に浮遊しているという感覚を持っています。絵画も同様で、絵画の面から垂直に発せられ絵画の前の空間に浮遊している何かがその場所に立つ人間に作用するのだと感じています。

それはかつてその場に在ったもの。その絵を描いた画家が長い時間を過ごし、たゆまぬ情熱を注ぎ続けた「絵画の前」というその場所に当時の画家の想念とか魂のようなものが絵画という物体を媒介として残存し続けているのではないかと考えました。そして鑑賞者として同じ「絵画の前」という場所に立ったときに、そこに残存する画家の想念とか魂のようなものが自分の魂と重なったときに衝撃的な感動が生まれるのだと私は思います。


2020

1、夢, 2020, アクリル絵の具・キャンバス, 130 x 162cm, (c)Miho Kitamoto/2、この場所で, 2020 アクリル絵の具・キャンバス, 116.7 x 91 cm, (c)Miho Kitamoto/3、アーモンド, 2020 アクリル絵の具・キャンバス, 91 x 72.7 cm, (c)Miho Kitamoto/4、祝福の花, 2020 アクリル絵の具・キャンバス, 91 x 72.7 cm, (c)Miho Kitamoto


2019

1、ゴッホの想念 雲 , 2019 , アクリル絵の具・キャンバス , 53 x 65.2 cm , unique , (c)Miho KITAMOTO /2、ゴッホの想念 雲 ,2019 , アクリル絵の具・キャンバス , 65.2 x 53 cm , unique , (c)Miho KITAMOTO /3、ゴッホの想念 雲 , 2019 , アクリル絵の具・キャンバス , 36.4 x 51.4 cm ,unique , (c)Miho KITAMOTO/4、ゴッホの想念 雲 , 2019 , アクリル絵の具・キャンバス , 72.7 x 60.6 cm , unique , (c)Miho KITAMOTO /5、ゴッホの想念 雲 , 2019 , アクリル絵の具・キャンバス , 53 x 45.5 cm , unique , (c)Miho KITAMOTO





「世界の表面」


『絵を壊す』という行為を通じた表現の追求

私は学生時代から主に油絵とアクリル画を20年程描き続けてきました。そして、描き続けることと平行して、絵画という枠組みを飛び越えるような新しい作品の制作方法についても常に試行錯誤を繰り返しています。

本作品の制作のきっかけは完成された絵画作品を木枠と麻布に分解したところから始まります。絵画(油絵)は一般的に、木枠に対して麻布(白色の下地材が塗られたもの)を釘またはステープラーで打ち付けたキャンバスの表面に植物性の乾きにくいオイルで練られた顔料を乗せることで構成されます。かつてアルゼンチン出身でイタリアで活動したルチオ・フォンタナが空間主義を宣言し、キャンバスを切り裂いたり穴を穿つことで絵画という枠組みを突破しようと試みたように、私はキャンバスを分解することを通じて油絵の歴史や油絵の限界を打ち壊すような新たな表現を探し続けました。


2018, アクリル絵の具・キャンバス・木枠・釘・水彩紙 ,  41 x 31.8cm x 12 peaces, (c)Miho Kitamoto




《  死と再生の力  》

2018, アクリル絵の具・キャンバス・木枠・釘・水彩紙, 70 x 162 x 130cm, (c)Miho Kitamoto




「テミスの天秤」

太陽と月

作品のタイトルになったテミスの天秤は正義を意味するシンボルとして扱われてきました。今回の作品では太陽と月という2つの天体を天秤の左右の皿に見立て、対になる連作として制作しました。太陽と月は人間にとって朝または夜の訪れをしらせるものであり、交互に現れる太陽と月とともに時間は経過し日は進みます。また、太陽と月は片方が見えている間はもう片方のことが見えなくなるという特徴もあります。この太陽と月を天秤の皿の様に左右に配置することで、正義というものが時とともに移り変わるものであること、また、一方の当事者が持つ事情や背景に目を向けている間はもう一方の当事者の事情や背景が見えなくなってしまうことを表しています。


2018, アクリル絵の具・キャンバス,  91 x 72.7cm x 2 peaces , (c)Miho Kitamoto


「風」

存在を構成する要素

私はものの存在について考えるときに「もの」という要素と「ものの周りを満たす何か」という2つの要素が合わさって存在するという捉え方をしています。本作品では建物というものを存在させる要素のうち「周囲にある空気」(物質としての空気だけでなく、その空間を満たす何か)に着目しました。

私は窓を開けたら風が入ってくるという当たり前の日常的に行われる体験を通じ、建物を取り囲む空気や空間に包まれていることが建物というものを存在させるための構成要素であるのだと強く感じました。この体験から生まれた「気付き」をもたらすこの窓を作品としました。「周囲を囲むものによって建物の形は保たれている」が本作品のコンセプトです。




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